お客様の声

3.11後の保育現場でのメンタル支援から

2011年3月11日(金)午後2時46分、私は福島県いわき市で東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故に遭遇しました。当時、原発から南へ約43kmに位置する教会幼稚園の園長をしていました。

翌週からは臨時休園となり、予定されていた卒園式や入園式はGWに行われました。約1ヶ月遅れの新年度が、断続的に続く余震や放射線への恐怖の中でスタートすることとなりました。放射線から子どもたちをどう守るか、保護者の放射線に対する感受性がそれぞれ異なることから、どのような対応をして不安を取り除いていくかなど、保育現場は「教育機関としての子どもたちの教育」と「保護者と子どもの心のケア」も担う場となりました。

福島県私学法人課より、文科省による緊急スクールカウンセラー派遣事業の案内が届き、それに応募して、海老名先生が園をご訪問くださったのは7月のことでした。それから6年間、保育現場にスクールカウンセラーとして加わっていただき、保護者の放射線不安や原発立地地域から避難されてきた子どもたちやご家族支援、要保護児童地域対策協議会の開催準備、放射線による感受性の違いによる夫婦間や家族の溝や離婚問題等、保育者だけでは対応が難しい様々なケースに、海老名先生とタッグを組んで対応にあたってきました。
時に保護者の不安やストレスは、保育者や幼稚園に向けられることもあり、保育現場は疲弊しておりました。子どもや保護者と同じように、保育者の健全な精神状態を保つためにも個別にカウンセリングも行っていただきました。

東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故から9年後の今、私たちはコロナウイルスとの新たな戦いが始まっています。園に求められる働きは単なる幼児教育や保育の範囲を超えて多様化しています。海老名先生と協働して保育を展開していくことは、保育者にとっても施設長にとっても大きな安心感となり,かけがえのない学び多き体験となりました。未知の災害を通して臨床心理士と協働する保育は、新しい転換点となるのではないかと、今は考えています。

現在も、関係の深い保育関係者の間で起きている事、保育者の養成に関わる中で迷う事などがあると、真っ先に海老名先生にご相談させていただいています。ありがとうございます。